今回は以下のような悩みに答えます。
仕事のストレスでうつの診断が出て、休職することに。
現在一人暮らしで、田舎に実家があります。
「うつの療養中は実家に帰るべき」と言われていますが、あまり帰りたくないかもしれません。
どうすればいいのでしょうか。
本記事の執筆者は、新卒1年目でうつ病になり、休職を経験。当時は一人暮らしをしており、休職中は実家と自宅を行き来していました。
そんな休職経験者の私が、以下の内容を解説します。
- 「うつの療養は実家ですべき」と言われている理由
- うつなのに実家に帰りたくない理由
- どうしても実家に帰りたくない・帰れないときの対処法
記事を読み終わった後は、実家療養のメリットが把握でき、どうしても実家に帰りたくないときの対処法まで理解できます。
ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
目次
実家でうつ病の療養が勧められる理由
心療内科に行ったとき「実家でなるべく療養しましょう」と、医師に言われたのではないでしょうか。またネット上の記事でも「実家での療養」が推奨されています。
実家の療養が勧められる理由は以下の3つ。
- 食事が取れるから
- 話す人ができるから
- 金銭に少し余裕が生まれるから
1つずつ見ていきましょう。
理由①:食事が取れるから
実家に帰ると、一人暮らしのときより食事が楽になります。
なぜなら両親が作ってくれる場合もあるから。
うつで一人暮らしをしているとき、三食しっかり用意するのは中々しんどいですよね。また外食するにしても外に出るのが億劫でしょう。
結果的に食事をろくに取れず、病状が悪化するケースもかなり多いです。過去の私もそうでした。
しかし実家に帰ると三食のうち、どれかは両親が用意してくれるかと。
しっかり栄養を取ると、うつ病の回復も早くなるのです。
理由②:話す人ができるから
実家に帰ると、両親と話す機会ができます。
うつで一人暮らしだと家に引きこもりがちになり、無言の日々が続くでしょう。誰ともずっと話さないのは、メンタルによくないとされています↓
コロナ禍でずっと自宅に引きこもり、元気な大学生がどんどん精神的に病んでいったニュースも話題になっていましたね↓
「一人暮らしの家でガリガリに」「鬱でSNSをアラビア文字に…」 現役大学生が綴るコロナ禍1年間の現実
一方、実家に戻ると少なくとも両親と話ができるため、「ずっと無言」という事態を避けられるのです。
理由③:金銭に少し余裕が生まれるから
休職中は給料が減るため、貯金を切り崩して生活する羽目になるでしょう。
私はお金をムダに使わない人間ですが、休職中の給料は手取り11万ほどだったため、生活は苦しかったです。うつ状態で、通帳の残高がごっそり減っていくのは不安な気持ちになります。
しかし実家に帰ると、家に少しお金を入れるかもしれませんが、一人暮らしのときよりも安く生活できるでしょう。
私の休職中の生活シュミレーション
私は休職中、実家と一人暮らしの自宅を行き来していました。
当時の生活費を振り返ったので、表に示します↓ (縦読みです)
一人暮らしの場合 | 実家暮らしの場合 |
家賃40,000円 | 奨学金10,000円 |
水道光熱費12,000円(冬季) | 携帯4,000円 |
食費7,000円 | 車関係20,000円 |
奨学金10,000円 | 療養した際、迷惑料として実家に10,000円払う |
携帯4,000円 | |
車関係20,000円 | |
↓ | ↓ |
90,000円前後の固定支出 | 40,000円前後の固定支出 |
私は休職中ということもあり、実家にはあまりお金を入れていませんでした。かなり甘ちゃんの部類かもしれません。
しかし、実家のほうが安く済むのは明らかかと。
うつなのに実家に帰りたくない理由は
うつで休職中のときは実家で療養がベストなのは、改めて知っていただけたと思います。
とはいえ
と悩む人も多いですよね。
大体は以下のような理由ではないでしょうか。
- 親の理解がない
- 他人からの過干渉
理由や出来うる対処法を紹介します。
理由①:親の理解がない
「親がうつを理解してくれないから、帰りにくい」と悩む人は多いです。両親が病気に対して無理解だと、実家に帰っても苦しいだけですよね。
私の場合、母はそこそこ理解をしてくれたのですが、父や祖父母が無理解で
- 根性で治る!
- お前は気が弱い!
- 気のせいだ!
だから私も、あまり帰る気分になれませんでしたね。
運良く母が理解してくれたので、実家療養ができましたが、親戚中が無理解だったら一人暮らしを続けていたと思います。
親の理解がない場合の対処法
親の理解がない場合、「うつは脳の病気なのだ」と説明して、納得してもらうのがベストでしょう。
両親世代だと、「うつ病は甘え」と考えている場合が多いです。
しかし最近の研究では「うつ病は脳の病気」とされています↓
「気持ち」の問題ではなく、(ストレスなどによって)「体(脳)」が変化しているために起こる病気です。
社会医療法人 公徳会 『うつ病』は「脳の病」です。より
根性や気の弱さなどは関係なく、医学的な根拠をロジカルに伝えるのが大切かと。
医学的根拠を伝えても、「いや!根性だ!」と言われる場合は、諦めましょう。そこまでの人ってことですからね。
理由②:他人からの過干渉
実家が田舎にある場合、うつ病で帰省していたら、近所の人から100%詮索されるでしょう。
他人に「自分はうつ病なんだ」とは言いにくいですし、詮索されたときの言い訳を考えるのも怠いですよね。
私は月1回心療内科に通っているのですが、「近所の過干渉に苦しんでいる地方の患者は多い」と医師が言っていました。
田舎の狭いコミュニティだと、都会から田舎に帰ってきた人間は、噂話のネタにされます。
過干渉の対処法
結論、干渉されたときは「仕事を休んでいるのをオープンにし、コロナの影響で都心部から地方へ拠点を移し、療養しつつ長い目で転職活動をしている」と伝えるのがベストです。
ポイントは3点。
①仕事を休んでいるのをオープン
→以前より調子は良く、元気であることを伝える。具体的な病名を言うと、変な目で見られるため、濁しながらポジティブに見られるように。(神経系の病気と言うといいかもしれない)
②コロナの影響で都心部から地方へ拠点を移している
→田舎の人間はコロナを異常に恐れているため、コロナが蔓延する都会は怖いことを伝えたら、共感してもらえる。少しでも安全に田舎で療養したいオーラを出す。
③療養しつつ長い目で転職活動をしている
→コロナで求人が減っているため、長い目で転職活動もしているのも伝える。引きこもりの人間ではなく、社会復帰の意欲がある人だと思わせる。
正直、人口10万人前後の市町村に実家がある人であれば、ここまで気にしなくてもいいです。なぜなら規模の大きな都市は人間関係が希薄だから。
うつなのに、どうしても実家に帰りたくない・帰れないときの対処法
とはいえ「両親が相変わらず無理解」「地元に自分の話が知れ渡るのなんて嫌だ」と考える人も多いでしょう。
どうしても実家に帰りたくない・帰れない人は、無理せず一人暮らしを続けるのがベストかと。無理して実家に帰り、体調が悪化したら意味ないですからね。
うつで一人暮らしを続ける場合は、少しでも人と話すために以下のことをしましょう。
- SNSでうつ闘病の人とつながる(ポジティブな人)
- 地域のカウンセリングルームに通ってみる
- 無料のセミナーなどに参加する
「こくちーず」というセミナー検索サイトで「うつ病」と検索すると、無料のオンライン相談会や雑談会が毎週のように開催されています。
うつで一人暮らしするときのコツ
ただ一人暮らしの場合、三食自分で用意しながら、少ない給料でやりくりしなければなりません。
食事に関しては、調子がいいときに作り置きしたり、冷凍食品を活用するのがおすすめ。
ご飯をまとめて炊いて冷凍したり、きんぴらごぼうやチンジャオロースなど冷凍できるおかずを作っておきましょう。
また、私は冷凍うどんやチャーハンなどを大量に買っていました。レンチンだけで美味しく食べられるので、おすすめです↓
金銭面に関しては、固定費と食事以外にお金を割かないようにしましょう。
少しでもお金を作るためにメルカリで不用品を売ったり、クラウドワークスでアンケートやデータ入力の副業をやったりするのもおすすめです。
【まとめ】うつだけど実家に帰りたくない!なぜ実家の療養がよしとされるのか?
本記事のポイントは以下のとおりです。
- 栄養・メンタル・金銭面から、うつのときは実家で療養するのがベスト
- どうしても実家に帰りたくない・帰れない場合は無理しなくてOK
うつでも実家に帰りたくない・帰れない人は無理せずに、一人暮らしをしたほうがメンタルには優しいです。
ただし、以下の点に気を付けましょう。
- 食事はとる
- 人と接する
- 節約する
ぜひ自分に合った方法で療養してくださいね。
それでは今回はこの辺で。ありがとうございました。
メンタルヘルスライターのダイと申します。