今回はこんな疑問に答えます。
◎本記事の内容
- 公務員になったら安泰なのか
- 公務員の仕事はAIに奪われる?
- 「安泰そうだから公務員」は後悔する
◎本記事の信頼性
- 公務員経験のある筆者が執筆(現在退職済み)
結論から言ってしまうと「公務員は短期的には安泰だが、長期的には安泰ではない」です。
本記事を読むと「公務員は安泰なのか否か」を理解でき、公務員事情をより知ることができます。
2,3分で読み終わる内容ですので、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。
目次
公務員になったら安泰なのか
繰り返しになりますが、公務員は短期的には安泰ですが、長期的には安泰ではありません。
もう少しかみ砕くと「公務員はこれから数年間はまだ安泰かもしれないけど、一生安泰ということはもうないよ」ということです。
具体的に公務員が「短期的には安泰な理由」と「長期的には安泰ではない理由」を説明させていただきますね。
公務員が短期的に安泰な理由
公務員が「短期的には安泰」な理由は以下の通りです↓
- 今のところ雇用は守られている
- 今のところ給料やボーナスの激減はない
公務員が短期的に安泰な理由① 今のところ雇用は守られている
今のところ公務員は民間企業に比べて「雇用」が比較的守られており、クビになることがほぼありません。
なぜなら公務員の雇用条件は全て「法」で硬く縛られているからです。
法により身分が守られているため、犯罪を犯さない限りはクビになりませんし、コロナで経済が落ち込んだとしても、ほぼ影響はありません。
この「守られた雇用」が公務員のメリットであり、短期的には安定的に働くことができますね。
公務員が短期的に安泰な理由② 今のところ給料やボーナスの激減はない
公務員は今のところ、給料やボーナスの激減がありません。
公務員は先ほども紹介したとおり、景気の影響ををあまり受けないので、不景気の民間企業のように
- 給料カット
- ボーナス支給なし
ということが基本的にありません。
もちろん公務員でも「財政難の自治体」では給料・ボーナスカットはありますが、大半の自治体では給料やボーナスはしっかり支給されます。
以上2つが「公務員が短期的に安泰な理由」でした。
次は「長期的には安泰ではない理由」を紹介します。
公務員が長期的には安泰ではない理由
長期的に安泰でない理由は以下の通りです↓
- 実は退職勧告が増えてきている
- 人口減少による給料カット・クビ
- 公務員は続けるほど市場価値が低くなる
順番に解説します。
公務員が長期的に安泰でない理由① 実は退職勧告が増えてきている
「終身雇用」の代名詞だった公務員ですが、近年「退職勧告」されるケースが増えています。
公務員の退職勧告は簡単に表すと以下のような感じです↓
- 組織の若返り
- 人件費の大幅削減
のため、50歳以上の職員に早期退職をお願いしています。
退職していただけない場合は地方への転勤、キツイ部署へ配属するかもしれません。
公務員は「年功賃金」なので、年齢が高いほど給料が高くなり、財政が圧迫されます。
それだったら「賃金も安く、頭の回転が速い若者を多く入れよう」という風に組織が判断してしまうのですね。
人事から「退職勧告のターゲット」にされてしまったら、逃げることはもうできず、退職まで追い詰められるのが一般的なようです。
実際に「退職勧告」を受け、退職まで追い詰められてしまった「元県庁職員」の方のYouTubeチャンネルもあります↓
https://www.youtube.com/channel/UCayCSFEFS_7YQViPjGJiwSA
また、以下の写真は総務省の「地方公務員の退職状況等調査」なのですが、かなりの割合で「退職勧告」が行われていることがわかるのではないでしょうか↓
この「退職勧告」は今後も増えてくると思われるので「公務員になったら一生安泰」とはもう言えないでしょう。
公務員が長期的に安泰でない理由② 人口減少による給料カット・クビ
日本は今後「人口減少」していくと言われており、2050年には人口が1億人を切ると総務省は予想しています。
我が国では、少子高齢化が急速に進展した結果、2008年をピークに総人口が減少に転じており、人口減少時代を迎えている。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2050年には日本の総人口は1億人を下回ることが予測されている。
「人口が減る=税収が減る」ということです。
公務員の給料の財源は「税金」なので、人口減少により税収が減ったら、公務員の給料は「100%」カットされることになります。
人口が減ると、公務員(特に地方公務員)も今よりクビになるリスクが増えるでしょう。
なぜなら「896の自治体は消滅する」と言われているからです↓
人口が減り続け、行政サービスの維持が難しくなったら「近隣の市町村と統廃合」が考えられます。
統廃合をしたら当然、余分な職員が大量発生し、彼らは「クビ」になるでしょう。
長期的には「安泰」とは言えないですよね。
公務員が長期的に安泰でない理由③ 公務員は続けるほど市場価値が低くなる
追い打ちをかけるようで申し訳ないのですが、公務員は長く続ければ続けるほど「転職市場で評価されない人材」になってしまいます。
なぜなら理由は2つあります↓
結論、公務員は受け身マインドで、民間企業は積極性マインドです。
公務員は利益を出していく必要がないので、仕事は基本的に受け身。
という感じですね。
一方で民間企業の場合、仕事を積極的に作っていく必要があり、利益を生み出さないと会社がつぶれてしまいます。
このように公務員の受け身マインドに染まってしまったら、民間企業で働くのは難しくなります。
また、そもそも公務員の受け身の姿勢を嫌う企業は多く、長く続けるほど転職が不利になるのです。
公務員になると2~3年スパンで「部署異動」があります。
部署異動は人間関係から解放されるメリットもありますが、「自分の専門分野ができない」というデメリットもあるのです。
専門性がないということは、得意分野がないことに等しく、転職の際にアピールできることが無くなってしまいます。
公務員のスキル事情はこちらの記事で詳しく解説しています↓
公務員の仕事はAIに奪われる?
果たして公務員は本当に安泰なのかな?
という質問はよく耳にするのではないでしょうか。
結論「AIに全部奪われることはない」です。
なぜなら公務員の仕事は「調整」「企画」など高度な仕事が多く、人間にしかこなせないと私は考えているからです。
具体的には
などが挙げられます。
この辺の業務は割とクリエイティブな一面もあり、「完全にAIに取って代わられることはないな」と私は感じました。
もちろん、公務員でもルーチンワークをメイン業務としている部署もあり、このような部署はAIに仕事を奪われる可能性は高いです。
しかし私の体感、最近の公務員は「ルーチンワークの多い部署」は少なくなっており、大半が「調整」「企画」をメイン業務としています。
よって、公務員の仕事はAIに全て奪われることはないでしょう。
「安泰そうだから公務員」は後悔する
という公務員志望の人は圧倒的に多いですよね。
確かに公務員は先ほども紹介したとおり、短期的には安泰な仕事です。
しかし「安泰そう」という理由だけで、興味ない公務員の仕事を永遠とやるのはしんどいです。
実際に私自身も「安泰そう」という理由や、親戚中の勧めで公務員になりましたが、興味ない仕事を永遠と続けるのは生き地獄で、最終的にはうつ病になりました。
興味ない・つまらない仕事をずっと行うと、心も体も死んでいきます。
なので「そもそもの公務員の仕事内容」に関心がない人は、志すのを辞めておいた方が、あなたのためになります。
公務員は安泰なのか?まとめ
- 公務員になったら安泰なのか
- 公務員の仕事はAIに奪われる?
- 「安泰そうだから公務員」は後悔する
という内容で書かせていただきました。
「公務員は短期的には安泰ですが、長期的には安泰ではない」ということを知っていただけたと思います。
本記事が公務員を志望している人・公務員を知りたい人に参考になったのであれば幸いです。
それでは今回はこの辺で。ありがとうございました。
\他にも公務員の仕事に関する記事がありますので、ぜひご覧ください/
なぜなら「公務員になったら一生安泰」なイメージがあるからです。
実際のところ、公務員になったら一生安泰なんですか?