今回は以下のようなお悩みに答えます。
復職するなら失敗したくないし、なんとか社会復帰して会社に貢献したい。
そこで復職に失敗しないためのコツとか知りたいな。
◎記事の内容
- 「うつ病休職→復職」で失敗しないコツ
- 【体験談】私はうつの復職後に無理をしすぎて失敗しました
- 復職前に読んでおきたい本
本記事のライターは過去に復職を経験し、失敗しています。(復職後、4か月で退職)
復職に失敗した理由を、自分なりに振り返り、記事に反映しています。失敗した人間の反省点を書いているため、復職前の方には参考になるかと。
記事を読んだ後は復職で失敗しない術を身に付けられますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
「うつ病休職→復職」で失敗しないコツ
うつ病からの復職で失敗しないコツは、以下の3点だけです。
- 「ちょっと厳しい」と感じたら休む
- 食事・服薬は忘れない
- 復職特有の「無能感」を受け入れる
順番に解説しますね。
コツ①:「ちょっと厳しい」と感じたら休む
大前提ですが、「ちょっと今日は出社が厳しい」と感じたら休むのが大切です。
復職は急に社会復帰しますし、周りの社員の目も気になるため、大きなストレスがかかります。
また、病み上がりで精神が安定せず、定期的に体調が悪くなる日も来るでしょう。
辛さを感じる中で無理をすると、うつ病が再発するケースも少なくありません。
もちろん仕事を休んでいた分、挽回したい気持ちもわかります。
しかし復職後は無理せず、コンディションが悪いときは休んで、長期的にベストな状態を目指したほうが会社のためになりますよ。
コツ②:服薬は忘れない
服薬を忘れないのも大切です。服薬は、うつ病治療の基本だからですね。
復職した途端、自己判断で服薬を止める人も少なくありません。
当然、医師の許可なしに服薬を止めたら、以下のような断薬作用が出ます↓
①吐き気やおう吐、食欲不振といった消化器症状
②発汗や火照り、いつもより暑く感じるといった自律神経系の変化
③寝にくくなったり悪夢を見たりする
④めまいやくらくら感、ふらつき
⑤手の震えや脚のムズムズ、話しにくい等の動作の異常
⑥気分の変動、焦燥不安感、イライラ、困惑などの精神症状
⑦電気ショックを受けたような異常感覚や耳鳴り、音への敏感さなど感覚の変化
⑧疲労感、全身倦怠感、筋肉痛、頭痛といったインフルエンザのような症状『抗うつ薬の離脱・減薬(医師)』より引用
上記の作用が出たら、仕事にも影響が出てしまいますよね。
ですので急な断薬はせず、徐々に薬を減らしていくのが、うつ病治療のスタンダードなのです。
復職後も医師から処方された薬をしっかり飲み、自己判断で薬を止めないよう気をつけましょう。
コツ③:復職特有の「無能感」を受け入れる
3つ目のコツが、復職特有の「無能感」を受け入れるです。
復職後に仕事をすると、うつ病の後遺症で頭が全く働きません。ゆえに以下のような現象がよく起こります↓
- 資料作成の誤字脱字
- 会議に付いていけない
- イレギュラーな問い合わせに対応しにくくなる
「気をつけよう!」と考えていても頭が回らず、対応できないのです。
当然、上記のような新入社員がしがちなミスを繰り返したら、自己肯定感が下がる場合もあります。
実際に復職後に頭の回らなかった人は結構多いようですね↓
復職104・105日目
夜勤当日は仮眠が取れずぼーっとして過ごしていた
「行きたくないなぁ」とか思いながら支度をして出勤夜勤中はとにかく眠くて仕方がなかった
ぼーっとして頭回らないからミスしないように気を張っていたとりあえず無事に夜勤を終えることが出来たと思う
— おもち (@Re_start_Thanks) November 20, 2020
今日から復職だけど、普通にお仕事して疲れた。定時には帰してもらえるけど、お昼も食べる気起きないし頭回らないし大変。
— じゅうたん (@_juttan_) November 2, 2020
復職後、自分の無能感に嫌気がさすときも出てくると思います。
しかし「みんな復職後はこんなものだ」「うつ病の後遺症だし仕方ない」と開き直るのが大切ですね。
開き直り方に関しては、最後の章で役立つ本を紹介します。
【体験談】私はうつの復職後に無理をしすぎて失敗しました
復職したての頃、体調の波があるにもかかわらず、私は這ってでも職場に向かっていました。
長年「休んだら負け!」という昭和根性と共に生きてきたため、「そう簡単に休むわけにはいかない!」と考えていたからです。
うつ病になったら無理が効かなくなる
しかし、うつ病になったら無理が効かない身体になるものでして、復職後2,3か月で絶不調に。
そんなうつが悪化した状態ですから、流石に産業医や主治医に再休職を勧められました。
ただ、少し前まで休職していたのに、「再休職したい!」など言えるはずがありません。
よってコロナ禍にもかかわらず、退職を選択しました。
休んだ方が長期的に自分と会社のためになる
正直、自分の体調を優先して休んでいたら退職せずに済みましたし、うつも悪化しなかったと今思います。
最初の章でも紹介しましたが、復職後は休みつつ、長期的にコンディションを整えた方が自分のためにも、会社のためにもなります。
長期的に回復させた方が仕事を辞めずに済みますし、会社側も新しい人を雇って教育する必要もありませんしね。
もちろん「休んだら周りの目が気になる」と感じる人もいると思いますが、以外と周囲は気にしていないものです。
自分のコンディションを整えるためにも、「図太く休む勇気を持つのが大切!」と私は考えています。
復職前に読んでおきたい本
私は退職してから、メンタルヘルスにかかわる本を結構読んできました。
中でも役立った本を2冊紹介します↓
- 心の疲れをとる技術
- 認知行動療法ノート
書籍①:心の疲れをとる技術
まず1冊目が「 心の疲れをとる技術」です。
こちらの本は、自衛隊の元メンタル教官が執筆しており
- なぜ無自覚に無理をしてしまうのか
- 無理の生まれる環境の特徴
- 不安を取り除く方法
などの解説があります。
「自衛隊」という過酷な環境で働いていた著者が言っているため、説得力ある内容です。
復職直後は「休んでいた分、挽回しよう!」と無理しがちになります。
しかし病み上がりから飛ばしたら、私のように病状が悪化してしまうでしょう。
本書では「無理をしない人間」になるための具体的なアクションプランも説明されていますので、ぜひ読んでみてください。
書籍②:認知行動療法ノート
2冊目が「認知行動療法ノート」です。
そもそも認知行動療法とは、「偏った考えを治して、客観的に物事を考えるためのトレーニング」です。
認知行動療法の具体例
例えば、以下のようなことを考え、辛くなった経験はありませんか?
どうせ同期からは見下されているだろうし、上司からも嫌われているに違いない。
生きてる価値なんて0だ。。
うつ状態のときは、自分を卑下する思考になってしまいますよね。
しかし、上記の感情を客観的に捉えてみましょう。
確かにあなたは仕事でミスしたかもしれません。
しかし周囲の人も仕事でミスして上司に怒られているでしょうし、同期から見下されている証拠もないはずです。
この客観的な思考を手に入れるためのトレーニングが「認知行動療法」なのです。
「認知行動療法ノート」は書き込み式で、手を動かしながら学習できる
「認知行動療法ノート」は、以下の写真のようにワーク形式となっています。
一緒に手を動かしながら学習できるため、記憶に残りやすいですね。
復職直後は、以下のようにネガティブ思考になりがち。
- 周囲の人は自分を見下しているかもしれない
- 頭が回らず、自分は無能かもしれない
しかし、復職する前に「認知行動療法ノート」を読んでおくと、客観的な思考で物事を捉えられるようになり、生きづらさも緩和できるでしょう。
【まとめ】「うつ病休職→復職」で失敗しないコツは3つだけ
本記事の内容を振り返りましょう。
- コツ①:「ちょっと厳しい」と感じたら休む
- コツ②:食事・服薬は忘れない
- コツ③:復職特有の「無能感」を受け入れる
- 復職直後からぶっ飛ばしたら絶対に再発する
- 復職前にメンタルにまつわる本を読んでおくと、安心できる
私は上記のことを行わずに復職し、失敗しました。
そこで過去の私のような復職を控える人に向けて、反省点をお伝えしました。
ぜひ本記事が、復職の成功に役立てばうれしいです。
それでは今回はこの辺で。
メンタルヘルスライターのダイです。