今回はこのような疑問にお答えします。
◎記事でわかること
- アスペルガーの大まかな特徴
- アスペルガーに公務員は向かない理由
- アスペルガーに向いてる仕事
- どうしても公務員がいい場合の対処法
本記事を執筆している私は
- 元公務員(市役所職員)
- 発達障害グレーゾーン(アスペルガー)
- うつ病を併発
という人間ですので、信ぴょう性はかなりあるかと。
まずはじめに結論を言ってしまうと、アスペルガーと公務員の相性は最悪ですので、個人的には違う道を選ぶのが良いと考えています。
そこで本記事では、アスペルガーの大まかな概要を解説しつつ、公務員に向かない理由などを、私の実体験を踏まえて紹介します。
アスペルガーの方は自身に合った仕事を選ぶのがベストです。きっとあなたの進路選択に役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
アスペルガーの大まかな特徴
私は心療内科に月1度通っており、医師からアスペルガーの特徴を説明されたことがありますので、以下に特徴を示します。
- 受け身
- 1人を好む
- 冗談がわからない
- 文脈が理解できない
- マイルールにこだわりがある
- 曖昧な指示が全く理解できない
- たびたび空気の読めない発言をしてしまう
- イレギュラーに対応できず、頻繁に頭がフリーズする
アスペルガーも発達障害の1つですので、努力や根性でどうにかなるものではありません。
職場の人間関係・仕事に馴染めず、過度なストレスを感じ、私のように「うつ病」を併発するケースも多いです。
アスペルガーに公務員は向かない理由
アスペルガーに公務員は向かない理由は以下の3つです。
- 公務員の仕事はイレギュラーが多いから
- 空気を読むことが求められる仕事だから
- 公務員は高度な対人コミュニケーション能力が必要だから
順番に見ていきましょう。
理由① 公務員の仕事はイレギュラーが多いから
理由の1つ目が「公務員の仕事はイレギュラーが多いから」です。
と感じる人も多いのではないでしょうか。
実は近年、公務員のルーチンワークは非正規の公務員、つまりパートの方にお任せをしているケースが圧倒的なのです。
大半の正規公務員は
- 企画立案
- 調整業務
といった新しい業務を日々行っています。
私も経験しましたが、「調整業務」はアスペルガーは苦手分野で、かなり苦しむことになるでしょう。
もちろん正規公務員でもルーチンワークの多い部署もありますが、圧倒的に少数ですので、配属される可能性はかなり低いです。
イレギュラーな住民対応も多い
また公務員はイレギュラーな住民対応も多いです。
特に市役所では毎日のように住民から要望・クレームがきます。
住民の要望やクレームはイレギュラーな案件が多く、全て柔軟に対応する必要があり、アスペルガーの場合は頻繁にフリーズする可能性もあるでしょう。
以上が理由の1つ目でした。
理由② 空気を読むことが求められる仕事だから
理由の2つ目が「空気を読むことが求められる仕事だから」です。
公務員の業務では、以下のような「空気を読まなければならない場面」が多くあります。
- 職場の謎の慣習に合わせなければならない
- 様々な上司や市民と携わるため、円滑にコミュニケーションを取らなければならない
職場の謎の慣習に合わせなければならない
公務員は体質が古いので、謎の慣習が多いです。
例えば
- 新人は残業代をもらってはいけない
- 20時以降は残業代の申請をしてはならない
- 休日はイベントに強制参加
などですね。もちろん組織によりけりですが。
「公務員」という巨大組織の中で上手に生きていくためには、空気を読んで、慣習に合わせなければ「不適合者」の烙印を押されます。
やはり大きな組織では「輪を乱さない」のが大切ですからね。
見事上司からフルボッコにされ、不適合者の烙印を押されました(涙)
様々な上司や市民と携わるため、円滑にコミュニケーションを取らなければならない
公務員はたくさんの人と関わります。
組織の中では、例え上司が間違っていても賛成しなければならない場面も多くあります。
なぜなら公務員は年功序列で、上司からの評価で出世が決まるため、空気を読んでイエスマンになったほうが安全だからですね。
また市役所職員の場合、住民と接する機会も多いですので、空気を読みつつ適切な説明や助言をしなければなりません。
アスペルガーは「空気を読む」「察する」といったことが苦手ですので、空気を読まなければならない場面の多い公務員は少し苦労すると思います。
理由③ 公務員は高度な対人コミュニケーション能力が必要だから
体感ですが「公務員は高度な対人コミュニケーション能力が必要」と考えています。
なぜなら公務員は全市民、全事業者、上司・部下など幅広い人とかかわりがあるからです。
例えば
- 部署によってはヤ〇ザと関わらなければならない
- 攻撃的な業者さんと上手にコミュニケーションを取りながら事業を進める
などは公務員ならではでしょう。
日々の業務では上司への報連相はもちろん、組織内で上手に出世するために「社内政治」もある程度考慮しつつ、立ち振る舞いをしなければなりません。
もちろん公務員も事務作業を淡々と1人でするような部署もありますが、大半の部署では高度なコミュニケーション能力が求められます。
アスペルガーは対人コミュニケーションに苦手を感じる場合が多いですので、公務員に向かないと実際に働いて感じましたね。
【余談】アスペルガーは公務員試験の突破は簡単
アスペルガーと公務員の仕事の相性は良くないことを知っていただけたと思います。
しかしアスペルガーの人は「公務員試験の突破」に関しては簡単にできる場合が多いです。
理由はアスペルガーの人は「ルーティン化」が得意だからです。
例えば「筆記試験」だと、何度も同じ過去問を解き、問題パターンを覚えることで、高得点が取れます。
また「面接試験」では、想定質問を片っ端から考え、解答例を作り、丸暗記で対応できます。
ただ想定外の質問が来るとフリーズしてしまうので、何百回も面接練習が必要です。
私がアスペルガーのグレーゾーンに気が付いたのは市役所に入り、心療内科に通い始めてからなのですが、結果的に公務員試験は「ルーティン化」のおかげで全て合格できました。
アスペルガーに向いてる仕事って?
アスペルガーに向いてる仕事は以下のような職種です。
- プログラマー
- Webデザイナー
- アナリスト
- 設備整備
- 工場
- 清掃
- 校閲・校正
- ライター
もちろんどの職種も最低限の「報連相」などは必要ですが、基本的に1人でも行える仕事が特徴的ですね。
ちなみに私の経験に基づく主観なのですが、アスペルガーの人には「在宅ワーク」が向いているなと思っています。
在宅ワークは1人で仕事ができるのはもちろんですが、個人的には「イレギュラーにその場で対応しなくてOK」なのが最大の魅力です。
在宅ワークは基本的にクラウドソーシングサイト、もしくはチャットツールでお客様と連絡を取り合います。
ツール間のやり取りがメインですので、イレギュラーが発生しても落ち着いて考え、対処できるのです。
組織で働いていてもイレギュラーは発生しますが、何事もその場で対処しなければなりません。
私は大学時代の飲食店バイト、そして公務員として働いている際、「その場対応」が全くできずに、よくフリーズをしていました。
しかし現在の在宅ワーカーに転身してからは、飲食バイトや公務員に求められる「その場対応」がなくなり、精神に余裕が生まれ、楽しく仕事をしています。
ですのでアスペルガーでお仕事に悩んでいる方は、まずは副業感覚で「在宅ワーク」をおすすめしたいです。
在宅ワークはどこから仕事をいただくか
と言いつつも
と感じる方もいらっしゃると思います。
在宅ワークでは
などのクラウドソーシングサイトを使えば
- 翻訳
- ライター
- データ入力
- Webデザイン
- プログラミング
といった仕事を、自身の得意分野に合わせて受注できます。
もちろんクラウドソーシングサイトは完全無料で利用できますので、登録して、お仕事を探してみるのも良いかもしれません。
どうしても公務員がいい場合は?
アスペルガーと公務員の相性はよくないことはわかったし、向いている仕事も分かった。
だけど、どうしても公務員がいいのです…
と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アスペルガーでも、どうしても公務員を目指したい場合は以下のような方法があります。
- 障がい者枠で公務員試験を受ける
- 非正規の公務員(会計年度任用職員)を目指す
グレーゾーンの方は診断を出してもらえる病院を探す手法もあるでしょう。
ただ言い方は悪くなってしまうのですが、
- 障がい者雇用の公務員
- 非正規の公務員(会計年度任用職員)
は出世や、大幅な昇給はなく、仕事内容も単調になりがちです。
しかし「非正規公務員(会計年度任用職員)」の場合は副業をできる場合が多いので、行政に携わりつつ、先ほど紹介をした
などで「在宅ワーク」をすると、収入・スキルアップが見込めるでしょう。
【番外編】アスペルガーでも公務員になりたい場合【非推奨】
もう1つだけアスペルガーでも公務員を目指したい場合の対処法があります。
ただ精神衛生上・倫理的にもよろしくないので、おすすめしません。一応ご紹介だけ。
もう1つの方法は「クローズ・診断をもらわないまま、一般的な公務員試験を受験し、職場で無能の烙印を押してもらい、楽な部署へ飛ばしてもらう」です。
気分を害されたら申し訳ありません。
公務員は採用後、半年間の使用期間を突破したら
- 不祥事を起こさない
- 財政破綻をしない
- 高齢ではない
限りはクビになりません。
「高齢だとクビになりやすいの?終身雇用じゃないの?」と感じた人は以下の記事をご覧ください。
ですので、公務員の体質的に
- 仕事のできる人は出世し、激務部署に異動 → 少しでも優秀な人に組織を支えてほしい
- 仕事のできない人は出世せず、閑職に異動 → 暇な部署でなるべく静かにしていてほしい
という体制になるんですよね。
つまりアスペルガーに向かない正規公務員になり、「できない人認定」をされたら必然的に楽な部署に飛ばされるのです。
楽な部署に飛ばされたら毎日定時帰り、1人で仕事ができる場合が多いですね。
ただ繰り返しになりますが、本段落で紹介している「番外編の手法」は
- 仕事のできない自分と、合わない仕事に絶望し、うつ病になる可能性
- 閑職を目指しての就職はビジネスパーソンとしてどうなのか
といった観点から、おすすめはしません。やめておくべきでしょう。
あくまでも「公務員の体制の裏ワザ」のような形で紹介した限りです。
【まとめ】アスペルガー人は公務員に向かない
本記事は
- アスペルガーの大まかな特徴
- アスペルガーに公務員は向かない理由
- アスペルガーに向いてる仕事
- どうしても公務員がいい場合の対処法
を紹介しました。
繰り返しになりますが、基本的にアスペルガーの方は公務員を目指すのはやめておくべきかと。
公務員も辛いですし、私のように「うつ病」を併発し、人生設計がめちゃくちゃになる場合もありますからね。
しかしグレーゾーンの私が公務員に適応できなかっただけで、中には例外的に公務員に適応できる方もいるかもしれません。
ぜひご自身の得意・苦手分野などを洗い出し、目指すかどうかを考えてみてはいかがでしょうか。
本記事が仕事選びに悩むあなたに、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。
それでは今回はこの辺で。ありがとうございました。
\他にも公務員の仕事に関する記事がありますので、ぜひご覧ください/
このまま合わない仕事を続けていても身体を壊しそうなので、楽そうな公務員に転職したい。
アスペルガーでも公務員は務まりますでしょうか?